やりとり合戦に大笑い

今回、東浦和図書館と中央図書館から、ゲストとしてお迎えするのは、A木さんとS本さんの先輩後輩コンビ。読み聞かせでは後輩のS本さんをサポートする立場のA木さんですが、最近お子さんが生まれ新米パパになったことで、育児に関しては先輩後輩が逆転することも。そんな絵本とおはなし会をこよなく愛するお二人ならではの視点から、オススメの笑えるユニークな絵本についてお話をうかがいました。

今回のブックトークゲスト

さいたま市立東浦和図書館
児童・地域係 A木さん

司書歴12年、0歳の女の子を持つ新米パパ。おはなし会では数少ない男性語り手として活躍中。やさしい声とおだやかな語り口は、しっとりとした読み聞かせにぴったり。予想もつかないような結末の絵本が好き。

さいたま市立中央図書館
資料整理係 S本さん

司書歴5年、3歳の女の子のママ。愛嬌たっぷりのとぼけたキャラクターが登場する絵本が大好き。ちなみに娘さんのお気に入りは「ラチとライオン」で、ママがあげたライオンのマスコットをいつもポケットにしのばせているのだそう。

※プロフィール内容は取材当時のものです

今回セレクトしていただいた本
おかえし ちゃんとたべなさい  
「おかえし」
作:村山 桂子
絵:織茂 恭子
出版社:福音館書店(1989年)
価格:800円(税別)
「ちゃんとたべなさい」
文:ケス・グレイ
絵:ニック・シャラット
訳:よしがみきょうた
出版社:小峰書店(2002年)
価格:1,300円(税別)
 

※全てさいたま市の図書館で借りることができます

おはなし会で活躍中のお二人ということで、「この読み聞かせは盛り上がった!」という経験も多いはず。そんなお二人の印象に残る「盛り上がった絵本」についてお話を聞かせてください。
うーん、たくさんあってコレと決めるのは難しいですねぇ(笑)。
“盛り上がる”というか、子どもが大笑いする絵本選びにはいくつかポイントがありますが、やはり “ありえないモノが登場する絵本”や“とんでもない展開のお話”は人気ですね。
“とんでもない展開のお話”の中でも、特におススメなのは、最初はわりと普通のお話だったのが、話が進むにつれ、どんどんへんな方向に進んでいったり、メチャクチャになっていく、というパターン。「おかえし」なんかはまさにその代表で、おはなし会でもかなり盛り上がる作品のひとつです。
ああ、「おかえし」ね!あれは確かに盛り上がるね。
絵本って同じパターンを繰り返すものが多いでしょう。このお話も、引っ越してきたキツネの奥さんが、お隣のタヌキの奥さんにイチゴを持ってあいさつに行く所から始まり、そこからお互いに、何かをもらっては何かをお返しする、というパターンを繰り返しながら話が進んでいきます。それが、繰り返されるたび、どんどんエスカレートして・・・・。
おかえしの、おかえしの、おかえしの・・・・って、どんどん家のモノを持ち出していっちゃう。子どもたちもパターンがわかっているので、はじめのうちは「次は何を持っていくんだろう?」とワクワクしているんですが、だんだん気づいてくるわけです。
「あれあれ?このままいくと家中のものがなくなっちゃうぞ!」って(笑)。
なるほど。白ヤギさんと黒ヤギさんのお手紙のやりとりを歌った「やぎさんゆうびん」を思わせる“エンドレス合戦の面白さ”に加えて、「おかえしがなくなったらどうなるの?」という予想できない結末への期待感。これは、子どもだけでなく大人も目が離せなくなりますね!
おはなし会では、こういう、おかえし合戦、思い当たる節があるせいか、同席された保護者の方、特にお母さんの反応がいいですね。ただ、エスカレートしながら繰り返す言葉も増えていくので、読む方はちょっと大変だったりするんですけど(笑)。
ヒートアップするにつれ、読むスピードにも勢いが必要ですもんね。思いっきり息を吸ってダーっと一気に読む。うーん、これは確かに疲れそうです(笑)。
ほかにも、こんな風に“やりとり合戦”がエスカレートしていく絵本ってありますか?
できれば、それほど読むのが疲れない作品でお願いします。(笑)

え!?やりとり合戦がエスカレートするお話で、読み手がそれほど大変でないものですか?うーん・・・、あっ!そうだ、アレはどうかな?
おまめの嫌いな女の子と、それを食べさせようとするお母さんのやりとりのおはなしなんですが、これもだんだんエスカレートしていくので、子どもに人気があります。

ちゃんとたべなさい」ですね!
これなら「おかえし」のように、両方がエスカレートするお話ではないので、「おかえし」よりは多少はラクに読めるかもしれませんね。

おまめを食べさせたいおかあさんが、「食べたら○○してもいいから」と交換条件を出す。おまめの嫌いなデイジーは、ひたすら「イヤ!」と突っぱね続ける。だからエスカレートするのはお母さんだけなんです。

「これ全部食べたらあとでアイス買ってあげる!」みたいな?

そうです。でもそれがだんだんエスカレートして、スケールが大きくなっちゃうんです。
アイスも最初は1つだけだったのに、どんどん数が増えて「食べたら100個あげるから!」とか言いだすんですよ。

交換条件に出てくるものも、アイスみたいな現実的なものから、「えーっ、そんなのあげちゃうの!」みたいなものになって。それが何かは、ここではナイショにしておきますが、どんなに豪華なものを並べても、絶対にデイジーは「食べる」とは言わないんです。

ページをめくるたびにどんどんエスカレートしていくママの交換条件に、「えーっ!」「ないないー!」「いいなー!」とか、いろんな声をあげて子どもたちは大盛り上がり。
この本を読むと、いつもにぎやかなおはなし会になりますね。

ちゃんとたべなさい」というタイトルから、「好き嫌いはダメ!」という話を期待しがちですが、実はデイジーとママのハチャメチャでユニークな親子のやりとりを楽しむ絵本なんですね!
ところで、デイジーはどうしたらおまめを食べるんでしょう?気になりますねぇ・・・。
(本をめくりながら)・・・あっ!ふふっ、なるほどね。やるなぁ、デイジー(笑)

「おまめ、だいきらい!」なデイジーと、おまめを食べさせたいママとのバトル。
最後にどんな結末になるのか、ぜひお子さんと一緒に読んでたしかめてみてくださいね。

今回セレクトしていただいた本
おかえし ちゃんとたべなさい  
「おかえし」
作:村山 桂子
絵:織茂 恭子
出版社:福音館書店(1989年)
価格:800円(税別)
「ちゃんとたべなさい」
文:ケス・グレイ
絵:ニック・シャラット
訳:よしがみきょうた
出版社:小峰書店(2002年)
価格:1,300円(税別)
 

※全てさいたま市の図書館で借りることができます