ほんとの大きさ、想像してみよう!

クジラやライオンの大きさ。地球から月までの距離。馴染みがない大きさって、数字だけではなかなかイメージしづらいもの。そんな「モノのスケール」をリアルに思い描くことができたら、きっとイメージの世界がもっと楽しくなるはず。そこで、今回は桜図書館のSさん、Tさん、Oさんをゲストに迎え、「ほんとの大きさ、想像してみよう!」をテーマに、スケールの大きさにワクワクする科学絵本をご紹介します。
今回のブックトークゲスト

さいたま市立桜図書館
児童・地域係 Sさん

児童・地域係長。虫に詳しく、虫博士やいきものかかり長という別名もあるとか。好きな絵本も、虫や動物が出てくるもの。9歳の男の子と7歳の女の子のパパで、休日は家族でキャンプを楽しむアクティブ派。

さいたま市立桜図書館
児童・地域係 Tさん

みんなから頼られる博識の持ち主で、人形劇でのオオカミ役は子どもたちから大人気。プライベートでは、茶道や弓道からヨーロッパぶらり旅まで、とても多趣味。流行のお笑い芸人のものまねも上手にこなす、芸達者な一面も。

さいたま市立桜図書館
児童・地域係 Oさん

料理が趣味のOさんは、おいしそうな食べものが登場する絵本がお気に入り。おはなし会では、透き通った元気な声でたくさんの子どもたちの心をつかんではなさない、桜図書館のアイドル的存在。

※プロフィール内容は取材当時のものです

今回セレクトしていただいた本
「シロナガスクジラより大きいものっているの?」
作:ロバート・E・ウェルズ
訳:せな あいこ
出版社:評論社(1993年)
価格:1,300円(税別)
「月へ行きたい」
(たくさんのふしぎ傑作集)

文・絵:松岡徹
出版社:福音館書店(2014年)
価格:1,300円(税別)
「もっと!ほんとのおおきさ動物園」
写真:松橋利光
絵:柏原晃夫
文:高岡昌江
出版社:学研プラス(2009年)
価格:1,500円(税別)

※全てさいたま市の図書館で借りることができます

秋は家族でのおでかけにぴったりの季節。親子で動物園や博物館に行かれる機会も多いのではないでしょうか。そこで、今回は動物園や博物館にふさわしく、「モノのスケール」がテーマ。動物や天体の大きさについて親子で考えられる、そんな絵本をご紹介いただきたいと思います。
今回は絆アベニューの新人、私M本もブックトークに参加させていただきます。
今日は初めてなので少し緊張していますが、絵本が大好きなので楽しみです。
よろしくおねがいします。
こちらこそ、よろしくおねがいします。
では、最初はこちら「シロナガスクジラより大きいものっているの?」。
ご存知のとおりシロナガスクジラは世界で一番大きい動物ですが、どのくらいの大きさなのかご存知ですか?
シロナガスクジラかぁ。昔、上野の国立科学博物館で模型を見たことがあって、とにかく大きかったのは覚えているんですが…。えーと、100mくらいですか?
ははは、さすがに100mは大きすぎますね。
正解は30mです。
そうなんですね!でも大きいっていう印象のせいか、30mって言われると、「え、そんなもの?」って感じちゃいます。考えてみると「モノのスケール」って、すごくあいまいで、数字ではなかなかイメージしづらいものなんですね。
そうなんです。だからこの本では、シロナガスクジラの大きさをイメージさせるために、動物園にいるライオンやゾウなどの動物と、シロナガスクジラの尾びれの大きさを比べるところから始まるんです。
ということは、この絵本は、シロナガスクジラと他の生きものの大きさを比べる科学絵本なんですね!
そう思うでしょ?実は違うんですよ。シロナガスクジラより大きいエベレスト、エベレストより大きい地球…。というように、どんどん比較がエスカレートしていき、最終的には宇宙の話になる、とてもダイナミックなお話なんです。
それも、ただ数字で比較するだけじゃなくて、子どもにわかりやすいたとえで比較されているんです。シロナガスクジラから宇宙まで、マクロの世界が身近に感じられるのが、この本のおもしろいところなんです。
うちの子(小4と小2)もこの本を読んで、「銀河はこんなにキラキラしているんだ!」「宇宙はこんなに大きいんだ!」と、のめりこんでいました。
クジラ(動物)、エベレスト(山)、太陽(宇宙)とジャンルを越えてスケールの大きなものが登場するので、どこに興味を持つかにも、子どもによって違いがありそうですね。
そういえば、うちの小6の娘も、「今日の理科の授業、昔絵本で読んだやつだった!」って話すことがあって。小さい頃何の気なしに読んだ科学絵本が、ちゃんと理科の学びにつながっていることに、ちょっとびっくりしました。
しかも、ただ単純に大きさを比較するだけじゃなく、哲学的なところもあって、人間が広い宇宙の中のちっぽけな存在だと思えてくる。落ち込んでいる時に読むと、前向きになれそうな絵本ですね。

では私からは、「月へ行きたい」をご紹介します。目に見えるのに、簡単に行けない月にどうすればたどりつけるのか、小学生の男の子がいろいろなやり方で考えてみるところからお話は始まります。
地球から宇宙までの距離は38万kmなんですが、そう言われてもちょっとイメージできませんよね。そこでこの本では、自動車だと月まで何日かかる?ジェットコースターのスピードだと?というふうに、子どもにとって身近なもので、月までの距離や行き方をいろいろと考えてみるんです。
結局、飛行機が一番速いとわかって、飛行機で月まで行こうとするんですが…。
えっ、でも実際には飛行機では宇宙までたどり着けませんよね?
そうなんです。飛行機では大気圏を突破できないので、ここからはロケットの話に。
うわ~、ロケットのしくみが、構造や司令塔の中でどうやって生活しているかまで、これはまたずいぶん詳しく描かれていますね!
作者の松岡徹さんは、もともと絵画や版画などを手がけるアーティストの方なんです。だから、見開きのロケットの絵や宇宙服のシワまで、細かいところまでとても丁寧に描かれていて、つい見入っちゃいますよね。
科学的な要素だけではなくて、かぐや姫やSFの世界に出てくるようなファンタジー的なものまで載っているのもおもしろいですよね。科学者や技術者の方が描く科学絵本とは、また違った魅力があるのではないでしょうか。
宇宙といえば、はずせないのが埼玉と縁の深い、宇宙飛行士の若田光一さんですよね。さいたま市青少年宇宙科学館では、若田さんが乗った宇宙船ソユーズの模型や、この本に載っているような宇宙服を見ることができるんですよ。
一番スケールが大きい、宇宙まで行ってしまいましたね(笑)。
今度はもう少し身近なスケールで、読んだあとに親子で出かけて、体験してみたくなるような絵本はありますか?

それでは、こちらの「もっと!ほんとのおおきさ動物園」はどうでしょう。この本に出てくる動物の写真は、なんとすべて実物大の大きさなんです。
こっ、これは!なんという表紙のインパクト!実際の動物園に行ったとしても、ここまでクローズアップして見られませんよね。本物のライオンがここまで大きいとは、想像以上でびっくりです。
この本に出てくる動物たちは、すべて国内で実際に撮影されたものばかり。
一匹一匹、正確な大きさや、どんな名前で、どこの動物園にいるのかまでちゃんと載っているので、本当に会いに行くこともできるんです。
会いに行ける”アイドル”ならぬ、会いに行ける”動物”ですか!
これは絵本片手に会いに行きたくなっちゃいますねぇ。
この本はシリーズになっていて、水族館や昆虫、恐竜まで幅広い生きものの実物大の大きさを楽しむことができます。動物の赤ちゃんや、東日本大震災で被災した動物の紹介に特化した本もあるんですよ。
ちなみに、そのシリーズにスター・ウォーズのものもあるんですよ。
本物のダースベイダーやヨーダの大きさを知ることができるらしいです(笑)。
おお!スター・ウォーズ!
これは、お父さん、お母さんのほうが夢中になりそうですね(笑)。
話が脱線してしまいましたね(笑)。
本題に戻すと、中の写真は、大きさだけでなく怖さもかなりリアル。たとえばオオカミなら骨付き肉を食べ終わった瞬間のもので、とっても迫力があるんです。
ほんとだ!マンガと違って、本物の舌なめずりがこんなにも怖いとは!
大人でもこれだけびっくりするんだから、子どもにはかなりの衝撃ですね。
ちょっと怖がる子もいそう…!
「百聞は一見に如かず」の言葉から、読書は実際の体験には劣ると思われる方も多いと思います。でも、実際の動物にはここまで近づくことはできません。そういう点では、本でもここまで大きさや怖さのスケールを実感できるんだ、ということを改めて気づかせてくれる1冊ですね。
絵本なので、これだけ近づいても飛び出して来ることもないですし。私は個人的に昆虫がとても苦手なんですが、絵ならなんとか触れる…かな(笑)。
昆虫といえば、桜図書館では8月末まで本物のカブトムシを展示したりもするんですよ。カブトムシの絵本を読みながら、カブトムシに親しんでもらえたらいいなあと思って。
えっ、本物のカブトムシが見られるんですか!図書館って本を貸すだけではなく、本を楽しむためにいろいろな工夫をされているんですね。
絵本をきっかけにして、「モノのスケール」を感じた後に、親子で出かけて実際に確かめて楽しむ。そんな素敵な出会いをぜひ楽しんでくださいね。
今回セレクトしていただいた本
「シロナガスクジラより大きいものっているの?」
作:ロバート・E・ウェルズ
訳:せな あいこ
出版社:評論社(1993年)
価格:1,300円(税別)
「月へ行きたい」
(たくさんのふしぎ傑作集)

文・絵:松岡徹
出版社:福音館書店(2014年)
価格:1,300円(税別)
「もっと!ほんとのおおきさ動物園」
写真:松橋利光
絵:柏原晃夫
文:高岡昌江
出版社:学研プラス(2009年)
価格:1,500円(税別)

※全てさいたま市の図書館で借りることができます


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