リズムでノリノリ

コロナの影響でマスク必須の今年の夏は、熱中症対策で外出を控えるご家庭も多いのではないでしょうか。そこで今回は「リズムでノリノリ」と題し、親子でノリノリで楽しめる、リズムや音をテーマにした絵本についてのブックトーク。さいたま市立図書館HPのユニークなWEB企画「おうちで楽しむ!としょかんイベント」を担当されている、与野図書館のお二人をゲストに楽しい絵本をご紹介します。
今回のブックトークゲスト

さいたま市立与野図書館
児童・地域係 Mさん

司書歴9年。保育園や小学校での出張おはなし会では、巧みなプログラムと明るい雰囲気で大盛況。斬新なアイデアとバイタリティで次々に楽しい企画を生み出す、与野図書館のヒットメーカー。

さいたま市立与野図書館
児童・地域係 Oさん

司書歴1年。図書館勤務2年目ながら周りを見て率先して動き、打てば響く仕事ぶり。手先も器用でフロアをかわいく飾るのも得意。色鮮やかな絵本が好きで、なかでも青の美しい「ウエズレーの国」は特に思い入れがあるそう。

※プロフィール内容は取材当時のものです

今回セレクトしていただいた本
 
「たいこ」
文・絵:樋勝 朋巳
出版社:福音館書店(2019年)
価格:900円(税別)
「カニツンツン」
文: 金関寿夫
絵: 元永 定正
出版社:福音館書店(2001年)
価格:900円(税別)
 

※全てさいたま市の図書館で借りることができます

今回はコロナによる規制解除から初のブックトークとなるわけですが、休館をきっかけに、さいたま市立図書館の「こどもの本のページ」では、読み聞かせやお仕事ツアーなどユニークなWEB企画が始まりました。その第1号が与野図書館の「おうちで楽しむ!としょかんイベント」だそうですね。
はい。コロナで図書館に来られない子どもたちに、せめておうちで図書館の気分を味わってもらおうと思いまして。普段見ることのできないバックヤードのガイドツアーや科学マジックなど、図書館ならではのアイデアをWEB企画に詰め込みました。
そこから「じゃあ、うちはコレを」という感じでほかの図書館が加わり、読み聞かせや実験などのYouTube動画、ペーパークラフトなど、コンテンツが増えていきました。これからもいろんなWEB企画をアップしていきますので、ぜひアクセスしてくださいね!

それでは早速ブックトークに参りましょう。熱中症対策で外出できない“マスクの夏”は読み聞かせの出番!そこで、今回は「音とリズム」をテーマに親子でノリノリで楽しめる絵本をご紹介いただこうと思います。
音、リズム、ノリノリといえば、私のイチオシはこちら「たいこ」です。「きょうはマラカスのひ」「ペロのおしごと」など、ちょっとシュールでどこかあたたかい、不思議な魅力のキャラクターが人気の樋勝朋巳(ひかつともみ)さんの絵本です。
表紙の謎のタイツ犬(?)“クネクネさん”と、途中で登場するもじゃもじゃ帽子の“フワフワさん”は、樋勝さんのほかの絵本にも登場しているんですよ。ちなみに二人は“マラカスのかい”の会員で、クネクネさんの家で定期的に発表会を開いています。
マラカス愛好家なんだ(笑)。それにしても、クネクネさんのこのハイウエストのタイツといい、フワフワさんの赤ちゃんのロンパースっぽい服といい、なんというか幼児に共通するカワイさがありますね。途中で出てくる男の子も、白タイツにシャツをインだし(笑)。
そうなんです。でも絵のタッチが甘すぎないので、不思議さとカワイさが絶妙のバランスで。お話も、クネクネさんが“たいこ”を叩きはじめ、その音を聞きつけやってきた仲間(?)が演奏に加わり、だんだんノリノリになっていく、というシンプルなものです。
ネタバレにならない程度に付け加えると、あまりにノリノリになりすぎて、怒られて怖い思いもするんですが、でも懲りずにまた叩きにきちゃう。そういう所も小さな子どもを見ているようで、思わずクスッと笑ってしまうんですよね。
「怖くて逃げたのになぜまた近づく!」とツッコミたくなる「幼児あるある」ですね。(本をめくりながら)説明文もなく、会話も「いれて」「いいよ」程度で、ほぼ全文がオノマトペ。カタカナが読めれば外国の方でも読み聞かせできそうですね、これ。
訳す必要のないオノマトペは、文字の音をそのまま読めばいいですからね。ノッてくると文字が大きくなったり、斜めになったりするので、強弱をつける所もわかりやすいですし、確かに外国の方でもいけますね。
「トントン ポコポコ ペタペタ ボーン」といった具合に、セッションなのでちゃんと相手の音を聞きながら自分の音を入れているんです。表情もイキイキしていて、音楽やリズムでひとつになる楽しさがすごく伝わって、見ているこっちも楽しくなるでしょう?
ですね!絵本のたいこに合わせて、私も参加したくなっちゃいました!リズムゲームのように、絵本の登場人物と同じセッションをリアルに楽しめたらいいのになぁ。
できますよ。「トン」「ポコ」「ペタ」「ボン」をそれぞれ担当すれば。絵本を読んだ後、「よーし!じゃあ、みんなでやってみようか」っていうの、楽しそうですね。セッションなのでさすがに、練習が必要でしょうけど。
成功したら親子でハイタッチしちゃいそう!でも、失敗して大笑いするのもまた楽しいもの。ところで、リズム系の絵本もそうですが、ストーリーやセリフの少ないこういう“オノマトペ”系の本って何歳くらいまで楽しめるんでしょう?小さい子には受けそうですが。

小学生でも結構楽しめると思いますよ。この「カニツンツン」は、まさに音とリズムだけの絵本なんですが、幼児向けおはなし会での反応も良く、小学校3年生100人を前にしての読み聞かせでもすごく盛り上がりました。
この本には、音の響きやリズムが面白い言葉がたくさん出てきます。オノマトペもありますが、いろんな国の言葉だったり、作者の金関さんが独自に考えた言葉だったり。絵本のタイトルの「カニツンツン」も、実は鳥のさえずりを表すアイヌ語なんです。
カニじゃないんだ(笑)。あ、これ “イーニ ミーニ ムー”は日本語でいう「どれにしようかな」の掛け声ですよね。おもしろい音とリズムの言葉って、魔法の呪文みたいで耳に残ってつい口に出ちゃう。「エクスペクト・パトローナム!」とか(笑)
ハリーポッターの呪文ですね(笑)。ちなみにこの「カニツンツン」は、小学校などで何度も読み聞かせしていますが、面白いと感じた言葉のところで吹きだしたり、気にいった言葉を復唱したり、本当に子どもたちの反応がいいんですよ。
私は図書館に勤め始めたのが去年からで、いろいろ読み聞かせの練習をしていますが、絵も音も読み手の自由度が高いこの絵本は、おはなし会で読むにはまだちょっと自信が・・・。
全体を通してみると、絵本そのものが1つの曲みたいな不思議な構成の絵本ですよね。Oさんの言う通り、読み手の自由度が高いので、どう読めばいいの?と戸惑ってしまう方もいるかもしれません。Mさん、最後に何かアドバイスをお願いします。
そんなに構えなくても大丈夫ですよ。テンポや音の強弱、間のとり方を意識して、どんどんアレンジしていいと思います。何より一番大事なのは、楽しんで読むこと。これに尽きます!
誰も見ていない家の中だからこそ、恥ずかしがらずに思い切ってノリノリになっちゃいましょう!いろんな読み方をお子さんと楽しんでみてくださいね!
今回セレクトしていただいた本
 
「たいこ」
文・絵:樋勝 朋巳
出版社:福音館書店(2019年)
価格:900円(税別)
「カニツンツン」
文: 金関寿夫
絵: 元永 定正
出版社:福音館書店(2001年)
価格:900円(税別)
 

※全てさいたま市の図書館で借りることができます