広域連携観光情報誌『motto』埼玉×長野×上越

角川武蔵野ミュージアム「取材こぼれ話」 Vol.01

2023 春 vol.60

誌面では語り尽くせないほどの魅力に溢れた「角川武蔵野ミュージアム」。
取材でのこぼれ話をお届けします。


誌面でも紹介した「Edit Town」「本棚劇場」についてご紹介しましょう。

「Edit Town」は、ここに来ないと味わえないとても刺激的な空間でした。
従来の図書分類をとっぱらい、あらたに柔らかい感覚の9つの分類に分けて、松岡正剛館長のチームが選書して構成しています。
今までの書域では隣り合わせにならなかった本たちが隣り合わせになって、新たな本との出会いができる空間。また、展示の仕方も日本の伝統的な「違い棚」を用いて設置しています。
これは、縦横きれいに並べないことで目が移っていく効果があるとのことです。

ここに立って本を眺めていると、まるで自分の脳みその中を見ているような感覚になります。頭の中では、いろいろな思考や記憶があると思いますが、それがここに並べられた本たちに刺激され連鎖していき、新たな発想や記憶の蘇りを促してくれるのです。

こんな話を熊谷さんにしてみると、「脳のシナプスに近いかも知れないですね。興味と興味がつながっていき、自分の知らなかった本へと辿り着かせてくれるように、出会いや発見があるかと思います」と。ここでぜひ自分の思考や興味に向き合ってみると、新たな発見や出会いが得られると思います。

そしてEdit Twonを突き進むと、その先にあるのがあの「本棚劇場」
高さ8mの吹抜けに、角川書店の創業者:角川源義氏、歴史学者:竹内理三氏、言語学者:外間守善氏、文芸評論家:山本健吉氏の個人蔵書と現在のKADOKAWA刊行物、約20,000冊が収められた空間です。それだけでもKADOKAWAの歴史的な時間が漂っています。迫力はもちろんのこと、荘厳さがあります。
一方で、ここは劇場と名がつく通り、ライブ感が息づいています。
イベント会場になったり、人同士の出会いがあったり、作品の舞台になったりとKADOKAWAが取り組んできたメディアミックスが展開される場でもあります。
プロジェクションマッピングでの投影などで作品の世界観を増幅、伝える演出も行われています。まさに新しい面白さや価値が生み出されています。

本棚劇場には「静と動」、ここに立つことでしか得られない体感・魅力が降り注がれる空間でした。

こぼれ話Vol.01はここまで。
次回は、「マンガ・ラノベ図書館」をご紹介します。  ライター/いさお

角川武蔵野ミュージアム

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